2009年11月09日

コトヒラ夜の螺旋

青猫のようにノワールを呟きますコトヒラの夜。


去年見つけた床屋の螺旋。

暗い道にて、どこかおちゃらけた永遠を

くるくるくると詠います。



一軒だけ開いたこの床屋では、
一人の客と一人の店主。

場違いなほど明々とした室内。

螺旋の横の、ガラスの向こうに広がる異次元。


私はその光景が好きだ。



川のほとりを歩きます。

両側に並ぶ灯りが、怠惰な魚のように

川にゆらゆら浮かぶ観光地の夜。



帳が降りる時刻が早い街だけど

飲み屋街はないけれど


閉まった戸や、照らされない看板を見ながら



ほろほろと彷徨うのも乙な街です。
  


Posted by 花椒 at 21:02Comments(8)

2009年11月09日

おむすびころりん



写メった後、

サンドがひっくり返り、

慌てて掴んだら、指がハムやら卵やらの間に入り

更に慌てたら、またサンドがデスクの上にさかさまに


坂を転がるおむすびのように続きます。


どんどん転がっていったなら

私は穴を発見するのでしょうか。

私は宝物を貰えるのでしょうか。


ダサンテキ。笑


坂もなく、サンドは落ちず、穴もなく。


ゲンジツのタルタルソースにまみれ

デザートのマカロンシューをほおばります。



にゅる。

はみ出たカスタードクリームが、デスクにぼたり。

クリームは坂を…

(冒頭よりリピート)

  


Posted by 花椒 at 15:25Comments(4)

2009年11月09日

儀式

「あ、ちょっといいですかぁ?」


よくないね。


むぅ。
と、私が仏頂面を横に向けた場所は

くまざわ書店「立ち読み」のついでに寄った、
駅2階喫煙所。



見れば先ほどコインロッカーの前で

「立ちブリーフィング」
をしていた婦人グループではないか。


怪しい。
ヒジョ~に怪しい。

口調がミョ~に
「親しみのこもった、
それでいてジヒブカイ」
フレンドリー軍団。


「ごめんなさい。休憩の時に。

今ね、たばこの味を変える実験。
をやってるんです。」


いや、変えんでええのだが。


「あ、休憩が終わりなんでごめんなさい。」


そそくさと逃げる私。


喫煙所のガラス越しに見た喫煙所の中では…

全身を

ゆらゆらさせた手で

「パワー」を注ぎ込まれている

泣きそうな顔のおっさんがいた。


  


Posted by 花椒 at 13:37Comments(0)