2013年01月25日

扉が吹っ飛んだ景色

サンポートに夜が明けると

その時 一枚のトビラが飛んだ。

人はどうして哀しくなると
海水池を見つめに来るのでしょうか。

◇◇◇

慣れたサンポートの烈風。
カウンター上のモノ、全撤去。

通りが濡れている。
海の水が風と共に舞い散ったのか。

今朝、清掃車に先駆けて駐車場に車をつけ
季節にそぐわぬ真っ赤な花柄のストールを頸に巻き。

前に進むよりわ、風力で後退せざるを得ぬサンポートを歩く。

タッパーに詰めた弁当と、ミニストで手に入れたドリンク類をバッグに入れ、
温かいユズ茶だけを素手で握りしめ胸に当てて。

清掃車に勝った私わ無人の、録音が流れる歩道を渡る。

その時。
確かに聞こえた「音楽」。

サンポートの塔とマリタイムの建物の「間」に流れる交響曲。
先日ユーチューブで聴いたヤナーチェックのシンフォニエッタ。だらうか。

違うな。

もっと、こう・・・名もない人々の合唱だ。

音楽に無知な私わ、それを「どのジャンル」かも指定できない交響曲。

主旋律も捉えられるハズがないけれど
無数の人が歌う歌に聴こえた。

季節にそぐわぬストールに手を当て、
バラバラに乱れる髪が・・・気持ち良い。

海水池わ干潮の終わりかけか始まりか。
月に照らされた砂地にマボロシの文字が浮かび上がる。

浮かび上がった文字を頭に描き
今度は「風鈴」の音。

思わず、銀色に光る高松駅に目をやる。

コロコロ コロコロリン。
目の筋肉を収縮して「音の出所」を探る。

キオスクもどこも開いていない未明。

確かに「旅人」は居る。
どこかに。
この強風のどこかに。

◇◇◇

勤務地に着いた。

その時点で、先ほどの交響曲も風鈴の音色も忘れる。

タッパーに詰めたニラ弁当を腹に、迅速に納め
05:05きっかりに事務所コールをするのが私のならい。

◇◇◇

扉が吹っ飛んだのわ、夜が明けて数時間後。

・・・もう慣れたョ

今までわ、私が駅付近遅出の時ばっかりだったので
直しに来る業者のモチベーションに頼っていたが

本日私わ最後まで居なくても良いワケだ。
(笑)

◇◇◇

季節はずれの港町。

あなたは
私が居なくても生きられるのね。

生きてくれ。後を頼んだぞ。

交代の博多に申し送り。

「えええっ?!
こンなの、どうするっと~!」
(@_@)

扉職人わ来る。きっと。

扉が吹っ飛ぶ状況に、なぜか「毎回」遭遇していた私。
(一時わ、一晩中『番』をしなきりゃならぬのか?とココロをくくった。日も有り。)

ニンゲン万事塞翁が馬。だ。
(笑)(笑)

◇◇◇

しおの香りが苦しいの。

電照菊のハウスが、
その灯りが私に物語った今朝。



無音から交響曲。  
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Posted by 花椒 at 18:25Comments(6)