空と海と道路

「あ。今日は花椒さん、『泊まり』ぢゃないですか。」

「え？」

思わずシフト表に手を伸ばす「手前」で止めました。

あまりにもナチュラルに告げるポーカーフェイス中野。

いつもココロが表情に顕れる私。わ、「すぐに慌てます」。

って・・・、よう考えたら、私の属する部門に「宿直」なンて「あろうハズもなく」。

本日早朝から、夜間まで事務所で
尚且つ明日朝も事務所な私ですから・・・

「このまま、泊まった方が楽やぞ～！」

獣がまた何か書類の計算をしながら叫びます。

「うんうん。」

「Men in black」のスミスみたいな、異次元の微笑みでもってうなずく中野。
いや、ちゃうやろ。

と、言いながら「シフト…そうやったけかな？」
などと『疑心暗鬼』になる直前に

郊外から、同僚ベティが帰ってきました。

カットした前髪を気にしていますので

「いや、前回の『大失敗』よりかわ…マシぢゃが。」

と、何のフォローにもなっていない賛辞を送りますが
なんか怒っとる。
ふぅ。

明日は事務所早出なんじゃが、帰ってブラウスを洗濯せねば「着るものがない」。と、

平和的に話題を転じる私に

「私は、スペアのシャツが5枚。」

答えるスタイリッシュな彼女に

「あ。私は2枚…かの。」
「洗剤も、一昨日切らした。」

昨日、また百何十キロにも及ぶお一人様ドライブで時間がなかったコトわ伏せます。

「もーっ！女子なんですから！」
イサメられて小さくなる私に、

「洗濯機あるぞ。」

よけいなお世話です。

「洗濯し合間に着る服がないわで。」
ヤケクソになりながら答える私に

「…ベストがアリマス。うふ。」
小悪魔ベティ。

◇◇◇

そんなこんなの今宵、また「暗順応」に時間がかかる「へっぴり腰」の私（した。

ふぅ。