空と海と道路

屠殺場に引かれてゆく牛のようでした…。

本日駅付近早出。

交代時の博多に、

「病院行き。今すぐ行き！」

と、半ば背中を蹴っ飛ばされるように送られた私は…

顔の半分を覆う、
私への酸素の供給を遮断するマスクを

ダースベーダーの息づかいと共に

サンポートの空に飛ばしました。

ふ


土曜日の午後。

診療している医院を探す旅人となります。


とある、飯野山の裾にて見つけた新しいクリニック。

…私、結構「クリニック」という名をつけた新設医院、好きです。笑

建物が可愛いのが多いし、
新しいから、丁寧に診てくれそう。っていう

患者側の希望的観測に於いて。


ドクター。

ちょいと個性的でした。


何でも考え込み…（不安がよぎります。笑）

カルテに所見を、かなぁり斜めにドイツ語で（きっとね）書き込みますから…

初め、「今から絵を描くのかしらん？」と思ったぐらいです。笑



「じゃ、注射しましょ。」

春の桜の花びらみたいに
軽く

さわやかにつぶやきます。

爽やかですから、のせられて私も

「はいっ♪」と。


…え…？

ちょとまて。

「注射」？ (°□°;)


私。その途端硬直。

「うん。注射。
インフルじゃないみたいだし〜」

インフルでなくても

注射。


魂が飯野山に飛んで行った私を

看護婦さんが

「こっちね。」


私、手と足が同時に出ます。

「……はい。かしこまり。」


注射係の看護婦さんは、

色んな瓶から

太い太い…

私からすれば、フレンチドッグみたいに太い注射器に

ドレッシングをつくるみたいに

次々入れて下さり…


私を「無力化・制圧する」
あの、黒い枕みたいなんを

まるでジントニックを差し出すマスターみたいに…

私の前へ。


腕をまくり、目をギュッとつぶり

彼岸の方角に首をねじ曲げた私に

「では…まず風邪のお薬からね〜」


…まず？


もう、なんも考えんことにしました。

上腕にゴムの管を巻かれた時点で…

私の心は、遠い世界に浮遊しましたから。



さて。

時間にして…二年ぐらい費やしたかと思われます。

実際には2分間。ぐらい…だったかもしれませんが。

その間。

デスクの角を掴み、

「あふぅっ」「ぬぬ…」「ぐ」「あっ」

などと、
字面だけで見ますとアブナイ喘ぎ声ですが…笑

ねじ曲げた首が固まってきた頃…

注射の上手い看護婦さん（いや、ホンマ巧かったですわい。）が

「はい。
じゃ、これしばらく押さえといてね〜」

「ふぬっ」（これしか言葉出ませんでした）


カクカクシカジカ。
がありまして…

数時間経った今も…

剥がすのが恐ろしい私は、
テープを貼ったままですわぃ。
ふ



お見苦しい画像で申し訳ござりません。