空と海と道路

「おっきょなったの〜！」

「へぇ。おかげさんで。
わしらもすっかり世話になっじょります。」

チャボは、手拭いで羽根を拭きながらイソイソと

私を出迎えてくれました。



◇◇◇

ここは鳥窓。

「逸珈琲」さんの一等席です。

…三十…五年ぶりかの。

「うどん道」を極める旅に出ていた私は

ちょいとケチャップの味が恋しくなり、

久かたぶりに帰って参りました。

…カフェは、普通に
お一人様で行けるんね。

ふ

本日郊外勤務地。

「鳥窓」の様子は、すっかり様変わり。

以前いたのは

白い巨大な烏骨鶏1羽。

チャボ夫婦1組。

彼らの子供1羽。

に

ウリ坊みたいなウズラ数羽。

そりが

チャボ夫婦2組に増えた。

と、勘違いしてをる私に

お店のきれいなおねいさんが
教えてくれました。

「…あれはね、彼らの子供が成長した姿なんです。」

「見分けがつかないぐらい大きくなっちゃって。」

(°□°;)

つまり。

チャボ夫婦は相変わらず。なんですが、

子供が成鳥（雌雄）になり、
そのまた後に生まれた幼鳥がいるわけです。

・・・・・

取り残された烏骨鶏。

かつて、チャボ妻を追いかけては
媚びをうっていた
「一人者」白い巨大鶏。

彼はまだ一人で

やっぱりチャボ妻を追いかけてをりました。

くぅっ
（モライナキ）

かえすチャボ親父は、
「血気盛んな」息子をつついて追いかけ回しとります。

・・・・・

複雑である。

複雑は嫌いな、シンプル思考を持つ私。

「とりあえずホットドッグ！」。

バックには、静かなジャズ。

ホットドッグ片手に、鶏模様を観察しようでわないか皆の衆。

的。安易なココロガケが
間違ってをりました。

初めて頼んだこのセット。

サラダやスープや杏仁豆腐がついてをります。




で、本体。

麗しいほどにケチャップとマスタードが
縦横無尽に。



・・・・・

どこを持てば…？

どこを持っても

手は、赤と黄色にまみれます。



笑 笑

私、かぶりつき

唇も赤と黄色の

ポタラ宮殿の旗の如く。

チャボは、やんややんやと声援を送り

唇や指を拭いたオシボリは

ピカソの絵画を想わせて…

さすが逸珈琲さん。
と思わせるところは

ホットドッグのウィンナー下部には

「たんまりと」茹で卵マヨが伏兵に。

つまり。

ケチャップ・マスタード・マヨ。
の、
強大な旅団を相手にせねばならん。のですねぃ。

ウリ坊ウズラがほくそ笑みます。

「あんじょうやりや。」

美味しかったのぅ。

ちょいと指がベタベタしながらも

お会計。

きれいなおねいさんは
ニコッと笑いました。

「ちゃんと写真は撮れましたか？」

・・・・・

まいりました。
笑　笑