空と海と道路

本来。

「点いているはずのない」部屋に

「あかあかと」
蛍光灯が

白く明るい人工の光を
強く投げかけてをりました。

◇◇◇

本日事務所早出。

まだ暗い駐車場から白い息を吐き

私は、裏のドアを開けます。

ぎぃぃぃ…

いつにも増して、
「おどろおどろしい」軋みを感じたのは

気のせい。でしょうか。

否。

気のせいではありませんでした。

宿直明けのわっきー＠38歳が

青ざめ、どろどろとした太鼓の効果音を漂わせて

デスクの片隅に
「こなき爺」の如く背を丸めて

ちょこんと座ってをります。

いったい何があったというのでしょう。

ヂツハ「無関心」な私は
B型です。

ちょいと遠回りに進み、
トイレ掃除へと向かうその時。

歴史は流れませんでしたが、

わっきーの声。

なんぞ？
はよ仕事にかかりたいがー。
（註:私の主要な仕事はトイレ掃除でわありませんです。）

「俺…」

言いよどみます。

あ？
ニベアハンドクリームを用意しながら訊きます。

「夕べ、てか今朝未明。

恐ろしい夢を見た。」

ちょいと足をとめます。

「布団かぶっての、寝てたん。」

「ほならの、その布団を掴む俺の腕を…！」

ひ ひぃ(°□°;)

ゴクリと生唾を飲み込む私。

そ、そりでっ？

「その俺の腕を掴む

また別の腕がっ」

げぇっ！
トイレ掃除を忘れて
（忘れても私には痛くも痒くもないんですが。）

口を開けたまま先を促します。

「その先には生首。

俺の布団を

一生懸命引っ張りよるんや！」

きゃあきゃあきゃあ

早朝の事務所は阿鼻叫喚。
（モッパラ私の声ですが）

そこで「思い出した」過去の『うわさ話』。

私がお昼のご飯をまったり頂く
「事務所二階」。

そのヒミツの小部屋とは違うんですが、

近くに並ぶ、やはり休憩室。

ここでは、
グループ会社の社員が寝泊まりする施設を備えとんですね。

で。

その彼らも、過去数回

人を違えて「体験」してをる

「怪体験」。

やっぱり、布団を引っ張られたそうな。

つまり。

二階での「同じ体験」を

一階にて。

我が社のわっきーが今朝
受けたワケです。

・・・・・

「そいえば…

『あの』部屋の『下』ちゃう？」

私も
どろどろどろと、低く太鼓を叩いて

方向音痴なまま
テキト〜に脅します。

「あ。」

わっきーが気づいた時に
他の社員が出勤。

「そりで、この部屋に電気点いとんや〜」

「あ、いや。」
（コホンと地味にセキバライ）

8時過ぎてまた次々に他の社員が現れます。

「な、この部屋に電気点いとってな…

いや○○さんが」

係長ゆえ、名前で伝えます。

「え、なになに〜っ？」

・・・・・

「言わんでええけん！」
（‐公‐｀）（‐公‐｀）

立場を失いそうになるわっきー。

でも、女子社員達が騒ぐにつれて…

ちょいと嬉しそう。
笑 笑

面子を失いそうになった彼はその後

事務所中のあらゆるエアコンのフィルターを掃除し始めます。
（イミフメイ）

◇◇◇

そんな「おどろおどろしい」事務所を後にした私は

「怪」を払拭するやうな
のんきなパスタ。

「ママー」なスパゲッチ。



古き懐かしいインスタントですが、

ちょいと名古屋気分に

薄焼き卵を敷きました。


ふ