空と海と道路

「何年振りだらうか。」

久々の事務所に
夜行列車で到着いたしました私は

草笛を吹きながら
辺りを懐かしい目で眺めます。

かつてバラックの闇市が縦横無尽に立ち並び、

溜まった雨水を蹴散らす馬が走ったこの界隈。

すっかり様変わりしたでわないか。

無精ひげを揉みながら
高層ビルを見上げます。


今夜は、長旅の垢を落とそうか。

事務所二階のヒミツの小部屋。
変わらぬブラインドの窓を認め

噛み煙草の滓を吐きます。


ふ

本日事務所。

仕事の前の腹ごなし、
として

終着駅方便店
（ふぁんびえんてぃえん=コンビニね。）
にて

求めた日本食は…

「うさぎさんの肉まん」でした。

ポプラにて。ふ。

…この名称をレジでおねいさんに伝える時

「ちょいと」勇気が要りました。

ダイエット中につき、
低カロリーカレーヌードルとサントリー烏龍茶を

かしりと静かにレジに置き、

横目にて発見した後

「…うさぎさんの肉まんを…。追加で。」

「あ…カラシか酢醤油をお付けいたしますか？」

安堵シタコトニ、笑われもせず問うた貴女は素敵だ。

「か、カラシで。」

カウボーイハットを少し上げて
私は言葉少なに語ります。

「うさぎさんの肉まん」。

事務所は遅出でしたので、

駐車場にて開けたこの腹ごなし。

・・・・・
(°□°;)

なんて可愛いんだ！



我を忘れて車外に出、

角度を変えて激写する私。

「隔たった時間」を

取り戻すかのやうに飛び回る私。

…
気づけば、午後一番にて

神戸出張の「カニ社長」の車が。


ふ。

肉まんを写メする１社員。

イミフメイの場面にて
眉間を揉む彼。

嗚呼じーざす。