空と海と道路

老師@35。の高校時代の話です。

彼は今でこそ非常にひょろひょろとした長身痩躯ですが、
高校・大学時代は「柔道部」に属していました。

…この頃って…



オトコノコは、とっても女の子に興味を持っているんですね。笑


柔道部の部室は、剣道部部室と共に道場にくっついていました。

何かの大会がある度に、その道場は

女子の「更衣室」に替わります。


…コウイシツ。

も、それだけで妄想のカタマリ。と化すんでしょうね男子は。笑


小細工。

部室がくっついている「特権」を、享受しないわけがない。

というワケで、その日さりげない風を装い（難しいと思いますですよ、高校生には。笑）

部室の鍵を職員室に取りに行きます。

さぁ、入れたらこっちのもんです。

ここで注意せねばならぬのは、

ドアの隙間から落ちる人影。
ぽん。と一つなら、女子も「覗かれてるわ！」と気づきます故

縦に何人か、頭を並べて背後から差し込む夕日の猶予を なくします。

つまりぴっちり。男子の頭がドアの縦の隙間に合わせて串刺し団子の如く。
笑

この辺りで、それまで息をのみ謹聴していた私は

ひざから手がすべりズリッとずっこけますです。

「でね…私達はポジション的に
不利。だったんですよね。」

老師は、ちょっと口惜しそうに告げます。

ドーデモエーケドホナキコカ。的 に私は腕を前に組みます。ふむ。

「剣道部の部室が、一番優遇されてたんです。」

それはなぜに？

ちょいと身を乗り出します。

「女子達は、着替えるのに片隅で固まるんですね。」

表情は、マーケットの現状を説明しているが如く。
平静です。

その「片隅」こそが、「ピンポイント攻撃」で臨める場所なワケで…

柔道部からは、時たまかがんだ中腰の尻の、それも一瞬。切れ端のフィルム。

剣道部は、それに比べて彼女達が固まる「片隅」の真横。ですから…。

故に、彼の学校では

柔道部と剣道部のカクシツが深く… 笑

やってることは、目論見は同じ。ですから

鍵の手に入らない時期などは

前日から１ヶ所、目立たない低い換気用の窓の鍵を「意図的に」閉め忘れ…

入る柔道部員の、少し離れたやはり低い窓から忍び込む剣道部員と

目が合い…

お互い黙って匍匐で入る風景が。笑


嗚呼 青春。笑