空と海と道路

事務所二階、ランチ休憩からカツンカツン帰ってきた私は

暑苦しい場面に遭遇した。

カニとわっきー（係長昇進）が、デスクの下で作業している。

それだけで暑い。

見れば、だんごのようになったPCやらプリンターやらの線を…
解きほぐしている。

「これは…」
「それ要らんよねぃ。処分。」
「これも…」
「そ、それ何？」

付近のPCは全てダウン。

心配そうに（でもニヤニヤ笑い）見守るY嬢。

「ダイジョブ？」

物見遊山の私（私が使うのは正常）が彼女に問う。

「はっ！」
慌てて立ち上げるY嬢。

まさかデータが全て…(°□°;)

いやダイジョブだった。

カニとわっきーが戦うのを、私と彼女は（笑いを隠して）高みの見物。

なんか、いきなり「ピーピー」が鳴り出して、二人はラピュタの城に行ってしまったらしい。

そらそやわ。

狭い事務所ん中やのに、線の森はあちこちに。

二人が奮闘しとる間に、私はカニのデスク下を写メ。

ホントは、二人が手をつけ始めてるぐちゃぐちゃの線の森を撮りたかったんだが…

殴られそうなので止めた。

昔中国部長が箱を置いた森を写メ。

「これはこっちの方面から撮らないかんやろ」と、ノッてきたY嬢もポイントを指摘する。
カニデスク下の森。

興に乗ってついパシャリパシャリとする私に…

線地獄にハマったわっきーが、気づいたら
「ピースサイン」

…目が怒っとる。

きゃあ！

素知らぬ顔で仕事に戻る私。


カニは、こんな場合でも長いドレスシャツのボタンをはめたまま。

すごい…かも。
きっと洒落者？


夕方、郊外から同僚Gが帰ってきた。

頼まれてた「PJ」のカタログを渡す。

見入る見入る。

美味しいグリーンリーフをまたたくさん持ってきてくれた。

彼女と一騒ぎした後、出口までヒマだったので見送りに行く。

「お疲れ様でした！」
と言う彼女につられて、つい私までもがカニに「おいとま」を請いそうになるが踏みとどまった。

「お、おみ、お見送りなのっ？」

カニは、つっかえながら笑う。

「ええ。」

冷静沈着に見据えながら答える。

何も手伝わなかった私だが…

その後ホコリにアレルギー反応。

ぐしゅぐしゅ へくしょん！

どうしてくれる。