空と海と道路

ある早朝、風邪でよろけながら勤務地のドアを開けた私。

開けた瞬間目の前が白い世界。


は？！

軽く恐慌をきたした私の顔にくっついたものは…

猫の顔を描いた白い風船。

朝詰めてきたマイ弁当を落としそうになった。

猫風船には紙で作った耳までついている。

わけが分からずデカい風船をよけ、デスクを見ればキーボードの上にまた猫の顔。
離れて尻尾までついている。



「おはよ〜にゃん」


ここでやっと分かった。
前夜ここで勤務のラブリー（同僚R）の仕業。



…ありがとうね…。

むちゃくちゃヒマやったんやね。

睡魔と闘う為に、翌朝訪れる私の為に色々小細工してくれたわけね。

尻尾を引っ張り出すと手紙まで付いてきた。

弁当も忘れ、笑いで腰が砕ける私。

手紙によると、咳き込みながら風船を膨らませたらしい。

そこまで…。



…アホやな…。

呆れ果てながらも、それらを写メに撮る。
光線の入り具合と角度を確かめながら。アホ連ちゃん？笑

どこまでゆく、ラブリー。

風船を様々に角度を変え、写メに撮る私も、客には謎に見えただろうが…
次々に出て来るマジックは更に謎だ。

思い出した。

今気炎を吐く若いベティ同僚が入った時。

この勤務地で「謎の宝地図」まで作ったラブリー。
いっぱいメモを作り、「上を見ろ」「今度は下」「次は電話の下」…と、たくさん貼っていた。

B型面白がり屋の可愛い子ちゃんは、必死で探索したっけ。笑

はぁぁ 朝から楽しんだわ。と、落ち着いて今日の売上袋を取り出したら、

そこには花椒塩のスパイス袋が。



あんたポップサーカスかい。