2009年03月31日

極秘任務

む。

切ったばかりの髪をざわめかせ、心機一転うなじが寒い。様相を呈する私は…

携帯に意識を集中。

「王墓山古墳」。

…知らぬが…

ともかくここで「接触」。というのがミッションだ。

場所を問う、元帥の私に「りん」曹長は冷たく短く。

「自分で調べたまえ。」

何たる越権。

悔しいので即
「明日ひとさんまるまる(午後1時)王墓。了解した。」とクールに返信。

直後Googleで調べ、地図はデータフォルダに入れた。
もちろん古墳についての情報も頭に叩き込む。

古墳探検が始まるぞ。

本日。石窟を匍匐する為にスキニーとロングブーツでいざ。
抜かりはない。

のはずが…嗚呼。
己の世界遺産的方向音痴を失念していた。

走れど走れど…「行き止まり」ばかり。
焦って地図を確認。

考えてみれば曹長は、バイク男であった。
バイクでなら進める道を、おんぼろ破車(ぽーちぇ。中国語)に乗る私に伝えたか。

本当は、時間前に到着し、後から来る(はずの)りん曹長を迎え…
キャメルをふかしながら
「やあ。今着いたのかい?」
と笑う目論見だったのだが…

「王墓」を含む「有岡古墳群」は…あまりに広範囲で…

私は見当外れな神社に乗り入れてしまった。

私が間違うのも無理はないのだ。
そこに「有岡古墳群」の地図は立て看板として存在したのだから。

しかし。
「群」であるからには点在しているはず。

ふと不安がよぎった私は…ひとさんまるまる定刻に
プライドを投げ捨て直電。

「あ。全然違う。」

「だよね。(ふっ)」自嘲の笑みを残し、力まかせに切った後…

実は三人に道を聞いた。

狭い山道で見た男は…二人ともなんだか立ちしょんで…

しかし。かけづらい声を(なんとなく終了した感じの)おっさんにかけ、狭い道をUターンし、またまたUターンしすぎて行き止まりにぶち当たり…
一輪車を押す翁に尋ね…平身低頭し

ようやくたどり着いたのは、ひとさんひとよん。

封印された王墓山古墳の石窟前。

のどかな春。


タグ :神社


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